オーダーメイドへのこだわり

耳あな型補聴器の原型
原型となる耳型

オーダーメイドの耳あな型補聴器は耳の型を採取して、それをもとにメーカー技術者が手作りします。

オーダーメイド補聴器の耳の中に入る部分をシェル(殻)といいます。貝殻みたいに中が空洞で、そこに部品を組み込んで作ります。

実際には原型そののままではなく、補聴器の装着感などを考慮し、原型を加工してシェルを作ります。

しかしながら、実際にお客様を目の前にして試着を繰り返しながら作るわけではありませんので、補聴器を耳に入れたとき、「きつい」「ゆるい」ということがおこる場合があります。

そのままでは使い心地はもちろん、補聴器の音質や言葉の聞き取りにも影響をあたえかねません。

そこで、埼玉県補聴器センターではシェルの修正などをおこなっています。 

事例紹介①

お客様の訴えは、

 ①長くつけていると、耳の中が痛くなる。

 ②補聴器をつけていると、自分の声が響く。   …というものです。

原因と改善方法はいく通りか考えられますが、今回はシェルの形状を修正することにしました。

 

耳あな型補聴器修正箇所

耳の中に入る先端部分をゆるくすることで、つけ心地を良くし、骨伝導による自分の声の響きを軽減します。

 

修正箇所をドリルで削る

ドリルで先端部分を削っていきます。

シェルの厚みは1mm程度ですし、中には小さい部品や細い配線がありますので、その位置関係を確認しながら作業をします。

また、一度に削りすぎると音が漏れてハウリングという現象が起きてしまうので注意が必要です。 

耳あな型補聴器、修正完了

修正が完了しました。 だいぶ形状が変化しているのがおわかりいただけると思います。

お客様につけてもらったところ、不満点は改善されました。

事例紹介②

お客様の訴えは、

 ①5年ほど使っているが、最近になって、ピーピー音漏れがする。

 ②なんとなくゆるい感じがする。   …というものです。

原因としては、補聴器を耳あなに押し込む癖があったため、以前に比べて耳あなが少し大きくなったのではないかと思われました。

シェル自体を作り直すこともできますが有料になりますので、今回はシェルを部分的に太く修正し、音漏れを止めてみることにしました。


耳あな型補聴器、修正完了

修正前のシェルです。

長くお使いのため、仕上げに施すクリアー塗装も薄くなっていますので、併せて塗りなおすことにします。

耳あな型補聴器、修正完了

シェルに盛り付けるアクリル樹脂とクリアー塗料の食いつきをよくするため、全体にヤスリがけをします。

その後、アクリル樹脂を盛り付け、紫外線で硬化させます。

 

耳あな型補聴器、修正完了

耳に入れて音漏れがしないか確認しながら、装着感も「ゆるすぎず、きつすぎない」ようにアクリル樹脂を削っていきます。

具合がよくなったところで、最後にクリアー塗料を塗って表面処理をします。

お客様につけてもらったところ、不満点は改善されました。