重要な言葉の理解力

私たちは耳で「音」を聞き、脳で「言葉」として理解しています

「音」を「言葉」として変換し、聴神経を通して脳に伝えてくれる内耳の器官を蝸牛(かぎゅう)といいます。

蝸牛の中には有毛細胞という毛のような細胞が約15,500個ほどあり、この働きによって脳は「音」を「言葉」として理解しています。

しかしながら、加齢などによって有毛細胞が減少・損傷してしまうと、その役割に支障がでてきます。

 

ここで、下記の図を見ながら、「桜」という単語をイメージしてください。

桜は「S」「A」「K」「U」「R」「A」というように分解できます。

これが脳に正しく伝えられてはじめて、春に私たちの心を躍らせる「桜」として理解されます。

正常な有毛細胞と損傷を受けた有毛細胞

 

しかし、有毛細胞に損傷があると、「正しく伝わるもの」「あやふやに伝わるもの」「まちがって伝わるもの」「伝わらないもの」などがでてきます。

結果として、「音」は聞こえるけれど「言葉」として理解しにくくなってしまいます。

・・・すると、「桜」が「皿」として理解されてしまうかもしれません。

 

一度、損傷した有毛細胞は再生されることはありません。

しかも、残された有毛細胞に適切な大きさで「音」という刺激を与えずに休んだままにしておくと、ますます働きがにぶくなってしまうといわれています。

 

この有毛細胞の再生については、様々な試みがなされています。

2013年1月には日本とアメリカの大学が共同で、実験用マウスに対して薬物による有毛細胞再生治療を行った結果、3~8dBの聴力改善に成功したとのニュースがありました。

そして2016年3月にはドイツの大手製薬会社も日本の大学と組んで、有毛細胞を再生する新薬の研究をはじめたそうです。

 

将来的に希望のもてるニュースではありますが、現時点では「残された聴力と有毛細胞の活用」を補助してくれるものが補聴器になります。