補聴器は厚生労働省より、管理医療機器(クラスⅡ)に指定されています。
補聴器選びやフィッティング(音の調整)、メンテナンスには専門的な知識と技術が必要です。
また、一口に「難聴」といっても、さまざまな原因や経緯がありますし、何よりも「難聴」は目に見えないデリケートな問題です。
そのために誤解を受けたり、たいへんな思いをされている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
知識や技術だけではなく、そのことを忘れてはならないと思います。
この10年ほどで補聴器は飛躍的に進歩しました。
それまでの「大きくて目立つ」「付けているとわずらわしい」「うるさい音ばかりで、よく聞こえない」といったことが改善され、多くの方が補聴器を使って快適な生活を送られています。
それでも、人間の優れた感覚器官である「耳」には、いまだ及ばないところもあります。
そのため、「お客様」「補聴器」「専門家」がコミュニケーションをとりながら、「いっしょに補聴器を作っていく」ということが、もっとも大切なのです。
最近は頻繁に、新聞やテレビ、インターネットなどの通信販売で補聴器や集音器を見かけます。
しかし「ちゃんと使えているのだろうか?」「必要以上に大きな音で聞いていて、残された聴力に影響はないだろうか?」と心配になってしまいます。
実際に独立行政法人国民生活センターから、こうした補聴器や集音器の安全性や効果について注意喚起がなされています(同時に補聴器業界全体に対しても、適切な販売システムの構築、販売者の知識や技術の向上などが求められています)。
補聴器はお客様ひとりひとりの聴力やご要望に合わせることで、はじめてご満足いただけるものです。
そのため埼玉県補聴器センターでは、実際にお会いしてお話しを伺いながらの対面販売でなければならないと信じています。
耳のかわりになるものだからこそ、安易な選択はせずに、補聴器の専門家である認定補聴器技能者にご相談の上、お求めになることをおすすめいたします。
補聴器の調整や販売に携わる者に対して、財団法人 テクノエイド協会 が厳しい条件のもと、基準以上の知識や技術をもつことを認定する資格です。
しかしながら、どのような資格でも同じことですが、「資格は取得して終わりではなく、取得してからがはじまり」であると思います。
常に知識と技術を磨き続けたいと思います。